映画「エゴイスト」はその独特なカメラワークで、
いつのまにか映画の世界に入り込んだ方も多くいたようです。
他の映画のカメラワークといったい何が違うのでしょうか?
今回は「エゴイスト」のカメラワークの秘密に迫ってみました。
映画「エゴイスト」のカメラワークがすごい
ドキュメンタリー調の映画

映画「エゴイスト」のカメラワークは独特で、
普通の映画に見慣れている人は少し驚くかもしれません。
顔のアップだったり手のアップが映ったかと思えば、
カメラが頻繁に揺れていったりきたりします。

まるでテレビでよくあるドキュメンタリー番組を観ているようです。
この映画はほとんどがハンディカメラで撮影されていると思われます。
このようなカメラワークによって映画を観ている人が、
主人公のドキュメンタリーをみているような不思議な感覚に陥るのです。
松永大司監督のこだわり

今回ドキュメンタリータッチを意識したカメラワークには、
松永大司監督の強いこだわりがあります。
もともと監督はドキュメンタリーを撮っていたこともあり、
それを生かしたフィクション作品として、
映画「エゴイスト」がうまくマッチしたようです。

ワンシーンワンカットで撮ることが多く、
役者もスタッフも神経を使っての撮影だったみたいです。
その一体感と連携がうまくいったことで、
今回のような素晴らしい作品になったんですね。
アドリブに合わせてカメラが動く

「エゴイスト」のセリフについてですが、
アドリブでセリフが決まっていないことが多く、
その時々で役者同士が自然と会話をして進んでいきます。
演じている役者の方からすると大喜利みたいな感じですね。

こんな時どんなセリフが場面に合うか、
探り合いながらも演技をしていく感じでしょうか。
セリフだけではなく動きもアドリブになるので、
そのたびにカメラマンがいろいろな角度へと動き、
役者に合わせていくことになります。

そのためマイクが映りこんでしまったりすることも時々あったようですね。
普通の映画ならこの角度からカメラを向けるなど、
カメラワークは細かく決まっているはずです。

それがないからこそドキュメンタリー感がすごく出ていて、
役者さんから感じる戸惑いの演技も自然です。
そう言った部分もこの映画の、
大きな魅力の1つになっているのではないでしょうか。
池田直矢は気配を消せる?

「エゴイスト」はカメラマンがすぐ近くで撮影していて、
寄りのカメラワークもとても多い印象があります。
そうなると演じている側としては、
気にならないものなのでしょうか?

もちろん役者がそれに慣れていくのもあるのですが、
カメラマンの池田直矢さんは気配を消せる人だそうです。
上手く作品に馴染んで邪魔をしないカメラマンであることも、
今回のようなドキュメンタリータッチの作品には、
大切な要素だと思いました。

また監督は役者の視線の先にカメラがないように、
演技に集中できるような環境作りの配慮もしたようです。
画面酔いする人も…

監督がこだわったこのドキュメンタリー調の映画ですが、
このカメラワークには実はデメリットもあります。
それはその独特なカメラワークによって、
画面酔いしてしまう人がいるということです。

ハンディカメラで撮るということは、
手振れやカメラの動きが早くてフワフワした感じになります。
画面が揺れているような状態になるので、
気分が悪くなって映画を途中退席した人もいたようです。

せっかくの素敵な映画なのに、
最後まで見れない人がいるのは本当に残念です。
画面酔いするカメラワークの対策としては…
- 後ろの方の席で観るようにする。
- ちょっとしんどくなったら目をつぶってみる。
- 退席して深呼吸を何度かする。
- 体調が悪いときは避ける。
- 酔い止めを飲んでいく。
あらかじめわかっていることなので、
酔いやすい人は酔い止めを持参しておけば、
いざという時に安心かもしれません。
「カメラを止めるな!」という映画でも画面酔いが話題になりました。
同じようにハンディカメラで撮影していたためだと思います。



まとめ
映画「エゴイスト」のカメラワークについてですが、
ドキュメンタリー調にこだわった監督の思いと、
役者とスタッフの一体感が強く感じられました。
アドリブがたくさんの演技を多くの方にぜひ観てもらいたいです。