映画「エゴイスト」を見た人が疑問に感じたこと、
ラストの終わり方についてなどを考察してまとめてみました。
監督や役者さんの思いなど裏話もたくさん書いています。
映画「エゴイスト」考察まとめ
ゲイの演技がリアルすぎる理由は入念な下調べ

「エゴイスト」でゲイの浩輔を演じるにあたって、
鈴木亮平さんは実際にゲイの方に会って、
たくさん話を聞いたそうです。

性的マイノリティについても鈴木亮平さんは、
自分なりにかなり勉強されたみたいですね。
そして実際のゲイの方が「エゴイスト」を観た時に、
違和感のある作品にならないように気を付けたといいます。

ゲイ仲間と楽しくお酒を飲んで会話をするシーンがあるのですが、
この時の仲間は実際にゲイの方が出演しています。
よりリアルに見せるために決まったセリフ以外は、
自分たちで自然と会話をしてシーンが出来上がったようです。

鈴木亮平さんの演技は本当に見事なもので、
しぐさも視線も話し方も本物のゲイに見えました。
そして本当の自分を隠している実家の父の前では、
悟られないように仕草や話し方も普通の男に変わるのです。
驚くほどにリアルな演技力でした。
龍太の死因は?

2人の幸せな時間が続いていくのかと思ったら、
突然龍太はこの世を去ってしまいました。
映画の中では死因については、
はっきりとは明かされていません。

朝になったらもう亡くなっていたという事実だけです。
「どうして龍太は死んだのか。」
これについては過労死が浮かんだ人がほとんどでしょう。
映画のストーリーの中でも中盤からは、
龍太が昼も夜もとにかく仕事をしているシーンが多くなります。

昼は重い荷物を運んで夜は皿洗いで立ちっぱなし、
浩輔といても気づいたら寝てしまう。
明らかに疲れているとわかる描写が何度もありました。
そういった死の直前までの背景も含めて、
過労からきたものだと推測できます。
途中退席者続出?

「エゴイスト」を観に行った人の感想で、
「最後まで見たかったけど途中で退席した。」
というものが見られました。
映画を観ていると気持ち悪くなってしまった人がいたようです。
実はこれは画面酔いのせいでした。

「エゴイスト」はドキュメンタリータッチにするために、
わざと手持ちカメラで撮影をしています。
手元や顔のアップを映してもピントが合う前に、
他の所へとカメラが動いていく感じで、
画像が常に揺れているというのでしょうか。

平気な人は全然平気だったようですが、
気になる人は序盤から酔い始めると思います。
酔いやすい人は後ろの方の座席を選ぶか、
まえもって酔い止めを飲んでいった方が無難かもしれません。
公式アカウントからもツイートがありましたので、
三半規管が弱い人はブレが強い場面では、
少し目をつぶるなど対策してみてください。

セリフはアドリブが多い

映画を作るにあたってもちろん脚本があって、
台本がありそこにセリフもあります。
エゴイストにも決まったセリフや流れはあるのですが、
会話はその場でアドリブになることが多かったようです。
例えば浩輔と龍太が2人で会話をするシーンは、
決まっているセリフ以外はアドリブで会話していたそうです。

だからこそのお互いのどこかよそよそしい雰囲気とか、
ドキドキするような雰囲気が上手く出ていたのですね。
龍太の母と初めて会った時の3人での会話では、
母の妙子を演じる阿川さんから、
「彼女はいるの?結婚は?」とアドリブのセリフが出ました。

それによって鈴木亮平さんは実際にマイノリティの方が、
日常でこのように聞かれて返事に困るんだろうなと、
演じながら改めて感じたようです。
また監督から直前に変更を伝えられることもあって、
相手のセリフが変わったことを知らなかった鈴木亮平さん。

「浩輔さん!」と呼んで階段をのぼってきた龍太が突然キスをするシーン、
この時の台本の本当のセリフは「斉藤さん!」でした。
初めて浩輔さんと呼ばれたことと台本と違う呼び方に、
リアルに驚いた顔で振り返った鈴木さんのいい表情が撮れたのですね。
浩輔はこの先どのような人生を送るのか

龍太を突然失った浩輔は自分の愛がエゴなのか、
愛する人に尽くしてきたことは正解だったのか、
わからなくなってしまっていました。
龍太が大切に守っていた龍太の母妙子に対して、
思いを繋ぐようにお金を渡して生活を支える浩輔。

だけど妙子はすい臓がんで先が長くないことがわかりました。
妙子のお見舞いに通い涙を見せないように、
笑顔で接する浩輔とベッドで酸素マスクをつけて眠る妙子。
立ち上がる浩輔に「まだ帰らないで」と弱音を吐きます。
そんな妙子からのエゴとも取れる言葉に応えるように、
そっと手を握るシーンで映画は終わりました。

映画では描かれませんでしたが、
妙子は遠くない未来に亡くなってしまうと思われます。
浩輔はまた大切な人を失って一人になってしまうのです。
今までのように強く生きていけるのでしょうか。
自分の愛し方がエゴではないかと疑問を抱いていた浩輔に、
「あなたは龍太のことも私のことも愛してくれた」と言った妙子。

自分の愛し方は間違っていなかった、愛として伝わっていたんだ。
きっと浩輔はそう思えたのではないでしょうか。
一歩間違えればお金で繋いでいるような愛し方をする浩輔。
でも龍太に対しても妙子に対しても誰かを大切に思い尽くす愛は、
エゴだけではなかったんだと。
きっとその思いを胸に妙子亡き後も日々を生きて、
またいつか誰かを愛するのではないかと思いました。
同じマンション?

エゴイストの浩輔の住むマンションの部屋なのですが、
「この作品と同じ部屋では?」とTwitterで話題になっていました。
同じく同性愛を描いた「きのう何食べた?」と、
一緒の部屋で撮影されていたようです。

こちらの作品は内野聖陽さんと西島秀俊さんが出演しています。
気になる方はチェックしてみてくださいね。
他には「ドライブ・マイ・カー」でも同じ部屋が使われているみたいですよ。
探せばまだまだあるかも…?


まとめ
映画エゴイストの考察記事として、
疑問点や裏話についてのまとめでした。
リアルな演技やセリフなどには監督の強い思いが込められていて、
それが作品の良さをさらに引き出していると感じました。