宮崎駿監督とは異なる世界観が評価された、
宮崎吾朗作品の「コクリコ坂から」。
しかし一方で気持ち悪いというネガティブな意見も見られます。
今回は本作が気持ち悪いと言われる理由について調べてみました。
ネタバレを含んでおりますので、本編ご鑑賞後に記事をご覧ください。
「コクリコ坂から」が気持ち悪いと言われる理由5つ
1つ目:昼ドラみたいな展開
本作が気持ち悪いと言われる一番の理由は、
昼ドラみたいなメロドラマだからでしょう。
劇中で風間俊も、
まるで安っぽいメロドラマだ。
と言っているシーンがありますね。
主人公メルと俊の物語を簡単にまとめると、
恋愛関係になる
↓
妹と兄であることがわかる
↓
血縁関ではないことが判明
このような、
まさにメロドラマ風な展開です。
兄妹愛が気持ち悪かった

https://www.ghibli.jp/works/kokurikozaka/
メルと俊の関係のポイントは、
妹と兄という関係が判明したにもかかわらず、
兄妹でも好き
と言い合うところです。
最終的に二人は実の兄と妹ではなかったので、
恋愛関係になっても気持ち悪いことはないでしょう。
しかし血が繋がっていたとしても、
恋愛関係を貫こうとしたところに、
気持ち悪さを感じた方が多かったようです。
このような意見が見られました。
確かにジブリ作品にはないドロドロさがありますね。
2つ目:時代背景が理解しにくい

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本作の舞台は1960年代の日本。
当時の学生運動がテーマの一つになっているのですが、
その時代背景が理解しにくいために、
気持ち悪さを感じた方もいたようです。
・中学生が哲学を語る
・白熱する学生討論会
・討論会での合唱
このようなシーンは1960年代を上手く描いていると言える一方で、
ノスタルジーに浸っているだけで気持ち悪い
と感じる方もいるようです。
合唱のシーンに違和感

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本作で学生も大人も歌うシーンが多いのですが、
これは1960年代に流行っていた「歌声喫茶」を反映させているようです。
人々が集まれば自然と歌い始めるという時代だったそうです。
しかし劇中ではそのような説明なしに、
何かと合唱が始まるので、
違和感を覚えた方もいたでしょう。
3つ目:説明不足な点が多い

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本作は多くを語らず観客に委ねる要素が多い作品です。
その結果、
説明不足なところが多くてわかりにくい、気持ち悪い
と感じた方もいるでしょう。
例えば、以下のような点は説明不足と言えます。
・タイトルにある「コクリコ坂」がどこにあるのか
・ヒロイン海がどうして「メル」と呼ばれているのか
・メルだけが働いているのはどうしてか
・メルはどうして風間俊に惹かれたのか
このように、
・物語の設定や背景
・主人公の心理描写
などが丁寧に描かれていないため、
全体的にモヤモヤして気持ち悪い
と感じてしまうのでしょう。
4つ目:メッセージ性が薄い

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本作はメッセージ性が薄いため、
最後まで気持ち悪さが残ったという意見が見られました。
ジブリ作品はテーマとなる軸があり、
メッセージ性が強い作品が多く、
それが魅力と言えるでしょう。
・「風の谷のナウシカ」
・「天空の城ラピュタ」
・「もののけ姫」
などは、
観終わった後に充実感が得られますよね。
しかし本作は
ふわっと物語を見せられた感覚があり、
物足りなさを感じた方が多かったようです。
このような意見が目立ちました。



5つ目:主人公メルが原作と違う
本作のもとになっている作品は、
・佐山哲郎の原作
・高橋千鶴の作画
による少女漫画です。
漫画雑誌「なかよし」で連載されており、
この原作を知っていた方も多いようです。
その原作のメルと映画のメルが違う
ということに気持ち悪さを感じた方もいたようです。
映画のメルは、
・「コクリコ荘」を切り盛りするしっかり者
・清楚で凛としている
・俊に好意を抱くも積極的にアプローチはしない
このようなイメージがあるでしょう。
しかし原作のメルは、
・明るく元気
・男子を怒鳴りつけるような活発さがある
・料理もするも魚料理ばかりで魚嫌いの祖母から苦言を呈される
このような女の子です。
だいぶイメージが違いますね。
その他にも、
原作と違う描写が多いため、
気持ち悪さを感じる方が多かったようです。
「コクリコ坂から」が面白いという意見もある
ノスタルジーを感じられる
1960年の横浜が舞台の本作。
そのレトロな昭和の雰囲気が良いという意見も、
多く見られました。
・街並み
・建物
・音楽
このような映像にノスタルジーを感じた方が多かったようです。
ジブリ作品は異国が舞台の壮大なファンタジーが多いですが、
このような昭和の街並みを描いた作品は、
逆に新鮮なのかもしれませんね。
ジブリ作品の中で「コクリコ坂から」が一番好き
という方も意外と多いようです。
リアルな昭和の描写が見れる
ノスタルジーに浸れる一方で、
昭和のリアルな部分を描いているところも、
本作の魅力と言えるでしょう。
・男女の違いなどの理不尽さ
・学生たちの思想の怖さ
このような描写を見ることで、
色々と考えさせられる作品でもありますね。
雰囲気がいい

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本作は宮崎駿監督作品のように、
大きな盛り上がりがある作品ではありません。
スクリーンに釘付けになるような作品ではないでしょう。
しかしそのかわり、
肩の力を抜いて雰囲気を楽しめる
という魅力もあります。
このような感想が見られました。
気軽に楽しめるジブリ作品は、
貴重な存在かもしれませんね。














まとめ
今回は「コクリコ坂」が気持ち悪いと言われる理由について調べてみました。
昼ドラ展開や時代背景などに対し
ネガティブな意見があるようです。
しかし一方で、
ジブリの中で一番好きという意見も多く、
やはりジブリ作品としてのクオリティは、
しっかり保たれた作品であることもわかりました。
金曜ロードショーなどで放送される際には、
チェックしたい作品ですね。