「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」は、
インディの助手ショート・ラウンドを演じた
アジア人の男の子が印象的でした。
彼は俳優として返り咲き、
エブエブで再ブレイクしたキー・ホイ・クァン。
どんな方なのか色々調べてみましたので、
ご紹介したいと思います。
「インディジョーンズ」アジア人男の子はキー・ホイ・クァン
難民としてアメリカに移住

http://blog.livedoor.jp/kotton33/archives/50674934.html
1971年ベトナム・サイゴンで中国系一家の
9人きょうだいの7人目として生まれたクァン。
1978年のサイゴン陥落の時に、
家族でベトナムを脱出し、
香港を経由してアメリカへと移住しています。
アメリカにたどり着くまでには、
・全てを捨ててアメリカに渡った
・家族全員がアメリカに渡るために多額の借金をした
・きょうだいは母と父の2組に分かれ、違うボートに乗ってベトナムを脱出し
・父と一緒に香港の難民キャンプで1年過ごした
このような壮絶な経験をされたそうです。
アメリカを脱出してから1年後の1979年に、
やっと家族が一緒に生活できるようになったといいます。
「インディジョーンズ」少年役に大抜擢

https://www.cinemacafe.net/article/2023/01/11/82882.html
ベトナム脱出から5年後の1984年、12歳の時、
クァンに転機が訪れます。
「インディジョーンズ/魔宮の伝説」の
アジア系の子役を探すためのオーディションが
ロサンゼルスのチャイナタウンで行われました。
クァンの弟がこのオーディションを受けたそうです。
しかしキャスティングの担当者は、
一緒に来ていたクァンをスカウト。
その後すぐに、
・監督のスティーブン・スピルバーグス
・プロデューサーのジョージ・ルーカス
・主演のハリソン・フォード
この3人と半日過ごし、
3週間後には撮影が始まったといいます。
まさにアメリカンドリームという感じですね。
クァンはその期待に応え、
インディと一緒に冒険を繰り広げる、
ちょっと生意気でかわいいショーティを
見事に演じ切りました。
「グーニーズ」でさらに大ブレイク

https://front-row.jp/_ct/17614235
続く1985年には、
スピルバーグ監督制作の「グーニーズ」にもメインキャストで出演。
お騒がせな天才少年データを
生き生きと演じました。
・「インディジョーンズ/魔宮の伝説」
・「グーニーズ」
映画史に残るこの名作2作品に、
立て続けに出演したクァン。
世界中でアイドル的な人気を博しました。
役者を断念し裏方へ

10代にしてスターになったクァンですが、
その栄光は長くは続きませんでした。
その後いくつか映画に出演するも、
ハリウッドではアジア人俳優にチャンスは非常に少ない
という厳しい現実を思い知らされたといいます。
はじめは俳優を目指していたわけではなかったのですが、
どんどん役者の仕事に夢中になったというクァン。
しかし残念ながらその熱意を注げる機会は少なく、
俳優業を断念してしまいます。
それでも映画業界から離れたくないクァンは、
裏方として働く道を選択。
南カリフォルニア大学のフィルムスクールで勉強し、
・助監督
・武術指導
・通訳
などとして、
映画に携わり続けました。
巨匠のもとでキャリアを積む

クァンは裏方に徹しながらも、
巨匠のもとで着々とキャリアを積みました。
ウォン・カーウァイの助監督:「2046」
ユン・ケイ監督のアシスタント:「X-MEN」「ザ・ワン」
このような作品に関わったそうです。
2004年公開の「2046」は、
木村拓哉さんがメインキャストを務めた作品です。
クァンはこの時キムタクの通訳も務め、
ウォン監督の広東語を、
英語でキムタクに伝えていたそうです。
表舞台から姿を消していたクァンですが、
俳優とは別の形で映画に携わっていたのですね。
映画作り全体を理解できるようになった

https://www.cinematoday.jp/news/N0134744
「ハフポスト」のインタビューでは
この時の経験を振り返り、
・映画学校に行ってはじめて、映画制作に関わる全てのことを学び、感謝できるようになった
・それまでは俳優の目線でしか見ていなかったと気づかされた
・今は撮影現場で俳優だけでなく、すべての人が見えるようになった
・映画作りのプロセスすべてを詳細に理解できるようになった
このように語っていました。
スター子役から一変し裏方スタッフになったことには、
さまざまな苦悩があったでしょう。
しかしその経験は、
彼が返り咲くためには必要なプロセスだったのでしょうね。
子役から順調に大人俳優にシフトしていたら、
後述する「エブエブ」のような大成功はなかったかもしれませんね。
「エブエブ」で見事返り咲く

https://www.oricon.co.jp/news/2268293/full/
アジア系俳優としての限界を感じ、
役者を断念したクァン。
しかし、アジア系が活躍するハリウッド映画、
「クレイジー・リッチ!」(2018年)の大ヒットに感化されて
再び役者として挑戦することを決意。
そんな彼にめぐってきた役が、
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2023年)の
主人公エヴリンの夫、ウェイモンド役だったのです。
この役には、
・広東語、北京語、英語を話すことができる
・ユーモアな演技ができる
・シリアスな演技ができる
・戦闘シーンをシリアスに演じられる
・優しい人柄も演じられる
このような多彩な要素が要求されたため、
キャスティングに難航していたそうです。
監督のダニエル・クワンは、
そんな人はいないな
と思ったと、後に明かしています。
そんな中たまたま監督が目にしたのが、
「インディジョーンズ」のショート・ラウンドの写真でした。
彼は今、なにをしているんだ?
と思いオーディションに呼んだところ、
クァンに惚れ込んでしまったといいます。
もう一人の監督であるダニエル・シャイナートは、
ハリウッドに対して「こんなにも素晴らしい才能を持った人を、
あなたたちは何十年も放っておいたんだ」と言いたい
と熱く語っていました。

https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/celebrity/g42809018/ke-huy-quan-actor/
本作で約30年ぶりに俳優として復帰したクァンは、
アカデミー賞の助演男優賞をはじめ、
2023年の映画賞レースを総なめにし、
見事なカムバックを果たしたのでした。
インディジョーンズと38年ぶりの再会
俳優復帰したクァンは、
2022年10月「D23 ExPO 2022」というイベントで
インディを演じたハリソン・フォードと再会し、
大きな話題となりました。
スタッフからハリソンに挨拶したいか聞かれたクァンは、
もちろん!
と答えるも、
僕のことがわかるだろうか
と、すごく緊張したといいます。
そして38年ぶりの再会の瞬間。
はじめは気難しそうな顔をしたハリソン。
クァンはファンの一人だと思われ、
「近づくな」と言われると確信したそう。
しかし次の瞬間、
ショート・ラウンドか?
おいで
と言って抱きしめてくれたのです。
クァンはこの時、
当時の記憶が溢れてきた語っていました。

https://ameblo.jp/helianthusgirasole/entry-12764925365.html
こちらがその時の写真です。
とても幸せそうなお二人の表情に、
見ているこちらまで、
幸せな気分でいっぱいになります。

https://cinema-element.com/2022/10/15/ke-huy-quan/
こちらは38年前のお二人。
この頃以来の再会ということで、
お二人ともこみ上げるものが
あったでしょうね。
そしてハリソンもクァンも
とても素敵な年の重ね方をされていますね。
お二人ともかっこいい!






まとめ
今回は「インディジョーンズ/魔宮の伝説」の
アジア人の男の子キー・ホイ・クァンについて
調べてみました。
ベトナムから難民としてアメリカにやってきた彼は、
子役として成功をおさめ、
さらに役者を断念した後、
見事なカムバックを果たしました。
まさに映画のような彼の人生に、
これからも注目していきたいですね。