「風の谷のナウシカ」に妊娠説があるのをご存じでしょうか。
その理由やラストの描写の意味について、
まとめてみたいと思います。
「風の谷のナウシカ」妊娠説の理由は?
王位継承者のナウシカが子供を産む必要があったから

https://www.ghibli.jp/works/nausicaa/
オタク評論家として知られる岡田斗司夫さん。
・株式会社オタキングの代表取締役
・東京大学教養学部の非常勤講師
・大阪芸術大学芸術学部キャラクター造形学科の客員教授
この他にもさまざまな肩書のある方です。
彼の考察によると、
本作のラストでナウシカは妊娠しているというのです。
この妊娠説の1つ目の理由は、
王位継承者であるナウシカが子供を産まないと、
風の谷は崩壊してしまうから
ということです。
ナウシカは風の谷の族長(王)ジルの末娘。
・父親は腐海の毒による病気で床にふせている
・母親は腐海の毒による病気で死去
・10人の兄姉達は腐海の毒による病気で死去
このような状況の中、
ナウシカが子供を産まなければ、
王族の血はナウシカで途絶えてしまい、
国は混乱に陥ってしまうでしょう。
それを回避するために、
ナウシカは妊娠、出産をする必要があったと考察されていました。
ナウシカは旅に出なかったから

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妊娠説の2つ目の理由は、
ラストでナウシカが旅に出なかったから
ということです。
ユパと共に旅立ったのは、
ナウシカではなくアスベルでした。
ナウシカは国で責任を果たすために残ったと思われますが、
妊娠していたから旅に出られなくなった
というのが岡田斗司夫さんの説です。
ペジテの人々が移住してきたから
岡田斗司夫さんは、
ナウシカが妊娠している理由として
ペジテの人々の移住を指摘されています。
これが妊娠説の3つ目の理由です。
ラストでナウシカが水車を修復しているシーン。
その下にはペジテの人々がいます。
ペジテの子供たちも、
一緒に木を植えたり、
メーヴェの飛び方を教えてもらったりしています。
つまりペジテの人々は、
ペジテの街が滅んでしまい風の谷に移住してきた
ということです。
しかし、
これまで風の谷を敵視し攻撃していたペジテの人々を
風の谷の人々が無条件に受け入れるのは不自然だと
岡田斗司夫さんは指摘されています。

ただし、
もし風の谷のナウシカとペジテの王子アスベルが結婚し、
子供が生まれたらどうでしょうか。
二つの部族がひとつになることができるでしょう。
このような考え方をすると、
ナウシカはアスベルとの子供を妊娠している
という説も納得できますね。
それでは、
ナウシカとアスベルは政略結婚のような形で
結婚に至ったのでしょうか。
アスベルとは恋愛結婚だった?

ナウシカとアスベルが一緒に過ごした時間は長くありません。
しかし、以下のような描写から、
強い絆や恋愛感情が生まれていることがわかります。
・いつも強気のナウシカが、腐海の清浄化システムを知った時、アスベルの前で涙を流す
・ペジテ市長にとらえられたナウシカを救うアスベル
・王蟲の大群から風の谷を救った後、手を取り合い喜ぶ姿ナウシカとアスベル
風の谷とペジテの種族をひとつにするという目的だけでなく
お互いに一緒になりたいという気持ちがあり
結婚に至ったと考えるのが自然でしょう。
ナウシカ妊娠説まとめ

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ここまで岡田斗司夫さんの妊娠説について考えてきました。
まとめるとこのようになります。
①王位継承者のナウシカが子供を産む必要があったから
②ナウシカは旅に出なかったから
③ペジテの人々が移住してきたから
①②の理由から、ナウシカが妊娠していると考えるのが自然ということですね。
さらに、ペジテの人々の移住を自然にするためには、
・ナウシカとアスベルが結婚した
・これにより2つの種族が仲良く1つになった
という考え方が自然でしょう。
そして二人の結婚はおそらく恋愛結婚だったと考えられます。
「風の谷のナウシカ」のラストの意味は?
「ナウシカの死」ではない
「おわり」が表示され、物語が終わるシーン。
これはナウシカの死を意味している説があります。
・帽子は墓
・芽はお供えの花
このように感じた方もいたようです。
王蟲たちの力で蘇ったナウシカのシーンは空想であり、
実際には死んでいたということですね。
しかしこの説はおそらく正しくないでしょう。
このようなどんでん返し系の映画もありますが、
宮崎駿監督作品は違います。
子どもも楽しめる映画作る監督ですので、
最後はハッピーエンドであるのが自然でしょう。
腐海の底

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植物が育つ環境が整っている場所は、
空気も水もきれいな腐海の底しかありません。
そのため、
帽子と1つの芽が映し出されるラストシーンは、
腐海の底だと思われます。
帽子はナウシカが落としたもの

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ナウシカは腐海に落ちるまでは帽子を被っていました。
しかし腐海に落ちる時、
大王ヤンマの尻尾がメーヴェがぶつかり、
帽子が吹っ飛んだシーンがあります。
その後のシーンのナウシカは、
もう帽子を被っていないので、
おそらく帽子は腐海の底に落ちたのでしょう。
その時の帽子が、
ラストの帽子と考えるのが自然ですね。
芽は「チコの芽」
帽子のそばに生えている芽は「チコの芽」です。
これは絵コンテで書かれているので間違いありません。
アスベルと共に腐海の底に落ちたナウシカは、
風の谷の子ども達からもらった
「チコの実」を食べていました。

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おそらくこの時に、
チコの実がいくつか落ちてしまったのでしょう。
チコの実は重要な役割を担っていたのですね。
ナウシカとアスベルが生命をもたらした

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腐海の底にはきれいな水と空気がありましたが、
そこに生命はひとつもありませんでした。
ところが、
ナウシカとアスベルが落ちたことで、
生命をもたらすことができたのです。
おそらくこのチコの芽から徐々に生命が広がり、
近い未来、腐海は人間にとって安全な森に変わるかもしれません。
そのきっかけを作ったナウシカとアスベルは、
風の谷、ベジテにとって重要な人物だったのですね。
ナウシカの妊娠も意味している?

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ナウシカの妊娠説を主張している岡田斗司夫さんは、
このラストのチコの芽に注目しています。
この芽は、
ナウシカとアスベルがもたらした奇跡の植物です。
そしてこれが同時に、
ナウシカが子どもを宿したことも
意味しているといいます。
アスベルとの間にできた子どもということですね。

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ふたりの子どもが誕生することは、
風の谷にとってもペジテにとっても
明るい未来になることを意味します。
つまりこのラストには、
・腐海再生による明るい未来
・風の谷とペジテ同盟による明るい未来
この2つを意味しているという解釈もできますね。














まとめ
今回は、
「風の谷のナウシカ」の
妊娠説の理由やラストの理由について
考察してきました。