「もののけ姫」のアシタカは、
数あるジブリ作品の中でも人気の高いキャラクターですが、
しかし一方で「クズ」と言われることもあります。
今回はなぜアシタカがクズ男と言われる理由を調べてみました。
ネタバレを含みますので、本編ご鑑賞後に記事をご覧ください。
「もののけ姫」アシタカがクズと言われる理由5つ
1つ目:許嫁のカヤの小刀をサンに渡した

https://togetter.com/li/1008672
アシタカがクズと言われる一番の理由は、
許嫁のカヤからもらった大事な小刀をあっさりサンに渡したから
でしょう。
この問題について詳しく見ていきたいと思います。
許嫁(いいなずけ)のカヤ

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アシタカとサンとのロマンスが見どころの本作ですが、
アシタカにはカヤという許嫁(婚約者)がいます。
彼女はアシタカのことを「兄様」と呼んでいるため、
兄妹の関係だと思っている方は多いようです。
しかし当時は、年上の男性を呼ぶ時に「兄様」と言ったそうです。
カヤは一族が認めたアシタカの婚約者だったのです。
見送りにきたカヤ

https://www.ghibli.jp/works/mononoke/
エミシ一族の長になるはずだったアシタカ。
しかしタタリ神の恨みを受けてしまったことで、
事実上、村から追放されることになります。
村の掟により見送りが禁じられる中、
罰を受ける覚悟でアシタカに会いに来たカヤ。
そして黒曜石の小刀を渡します。
永遠の愛を伝えたカヤ

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カヤは
お守りするよう、息を吹き込めました。
いつも兄様を想っています。
と言って小刀を差しだします。
このシーンは、
無事を祈ってお守りを渡したように見えるかもしれません。
しかし実はもっと深い意味があったといいます。
未婚の女性が男性に守刀を渡すということは、
この先一生誰とも契りを交わしません。
あなただけを愛します。
ということを意味するそうです。
覚悟を決めて小刀を渡したカヤ

https://togetter.com/li/1008672
・アシタカはもう戻ってこないかもしれない
・カヤは13~14歳
このような状況を考えると、
カヤがどれほどの想いで小刀を渡したかがわかりますね。
アシタカは、
今後誰とも結婚せず、生涯アシタカだけを想って生きる
という少女カヤの想い受け止めて、
私もだ。いつもカヤを想おう。
と答えます。
とても感動的なシーンですね。
カヤの想いが詰まった小刀はサンの元へ
ところがアシタカは、
そんなカヤの想いが詰まった大事な小刀を、
戦いに挑もうとするサンに渡してしまいます。
これに対して、
カヤが覚悟を決めて渡した小刀を躊躇なくサンに渡したクズ
元カノからもらったプレゼントを今カノに渡すクズ
などど怒りの声が殺到。
生涯の愛し合うことの証である小刀を
あっさり手放しただけでなく、
新しく想いを寄せた女性に渡したアシタカ。
クズ男と言われても仕方ないですね。
しかも手渡しではなく、
山犬に「サンに渡してくれ」と託す形というところも、
観客の怒りを倍増させたようです。
アシタカを擁護する声も多い?

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この小刀をサンに渡したことに対し、
批判の声が殺到する一方で、
二度とエミシの村に戻らない決意をしていたから仕方ない
一夫多妻制の時代だから今の感覚とは違う
このような意見も見られました。
確かにこのような考え方もできますが、
しかしそれでも、
わざわざ小刀をサンに渡す必要はなかったかもしれません。
サンと恋に落ちたとしても、
小刀はカヤとの思い出として大事に持っていてほしかったですね。
2つ目:サンと大人の関係になっていた?

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アシタカがクズと言われるのは、
実はサンと大人の関係になっていた
という理由も挙げられます。
傷を負ったアシタカはサンの洞窟で看病されます。
そして傷が治ったアシタカが目を覚ますシーン。
彼の隣には無防備な顔で眠るサンの姿がありました。
実はこれは二人が性的な関係を持った後だという説があります。
この出来事により、
サンはアシタカを信頼するようになり、
二人の距離が縮まったというのです。
鈴木プロデューサーも認めた?
この説は、
映画評論家の岡田斗司夫さんがYouTubeで発信され、
ネット上で盛り上がりを見せていました。
また過去にプロデューサーの鈴木敏夫さんも、
この件について言及されていたそうです。
2013年7月18日のラジオ「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」の中で、
アシタカとサンが洞窟のシーンで肉体関係を持ったことについて、
ほぼ事実だと認めたような発言をされていました。
カヤがいるのに許せない

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カヤの存在がなければ、
アシタカとサンが大人の関係になったことは、
自然なことだったと言えるでしょう。
しかしアシタカは婚約者を故郷に置いてきている状況なので、
すぐに新しい女性と結ばれるのはクズ過ぎる
浮気が早すぎる
などの非難を受けていました。
3つ目:サンにプロポーズをした

宮崎監督の絵コンテによると、
アシタカはサンにプロポーズをしています。
「サン アシタカのプロポーズに答えている」とありますね。
アシタカのプロポーズの言葉は、
劇中で描かれていないのですが、
サンはしっかり
アシタカは好きだ。でも人間を許すことはできない
とプロポーズに答えています。
アシタカは、そんなサンの言葉を受けて、
それでもいい。サンは森で。私はタタラ場で暮らそう。
共に生きよう。会いに行くよ、ヤックルに乗って。
と言うのでした。
とても美しく印象的なシーンです。
カヤがいるのにおかしい

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しかしここで引っかかるのは、
婚約者カヤの存在は?
ということです。
故郷に婚約者を残してきているにも関わらず、
あっさり次の女性にプロポーズするという
プレボーイぶりに呆れた方もいたようです。
4つ目:エミシの村に戻らなかった

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・許嫁のカヤからもらった小刀をあっさりサンに渡した
・サンに「そなたは美しい」発言
・サンにプロポーズをする
このようなアシタカのクズ男ぶりに
非難の声が上がっています。
一夫多妻制の時代だから仕方ない
という意見もあります。
現代の感覚とは違うため、
複数の女性を愛するということは
ごく自然なことだったのかもしれません。
しかしそうであるならば、
最後にエミシの村に戻り、カヤと再会すべきだった
という意見も見られました。

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一度村から離れたら二度と戻れない掟があったため、
簡単に戻れないことは理解できます。
しかし生涯の愛を誓った女性のためなら、
少しくらいルールを破っても、
会いに行ってほしかった感じがしますね。
5つ目:サンとは通い婚の関係に落ち着いた

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物語のラストで、
アシタカのプロポーズを断ったサンですが、
アシタカは、
サンは森でわたしはタタラ場でくらそう。共に生きよう。
会いにくいよ。ヤックルに乗って。
と言います。
つまり通い婚の関係に落ち着いたということでしょう。
宮崎監督は後に、
あの後ふたりはしょっちゅう会っている
という後日談も明かしています。
お互いそれぞれの生活をしながら、
会いたい時だけ会うというフランクな関係。
カヤからあっさりサンに乗り換えた前科のあるアシタカに対して、
またすぐに浮気しそう…
一夫多妻制を認めたってこと?
などと思ってしまったファンは多かったようです。














まとめ
今回は「もののけ姫」のアシタカが
クズを言われる理由について調べてみました。
最高にかっこいい主人公として描かれつつも、
意外とツッコミどころが多いことがわかり、
人間臭さが感じられました。
このような目線で本作を鑑賞すると、
違った楽しみ方ができるかもしれませんね。