2021年細田守監督渾身の最新作。
「竜とそばかすの姫」大ヒットしましたね。
しかし一部ではこの「竜とそばかすの姫」がつまらないと言われています。
その5つの理由についてまとめていきます。


竜とそばかすの姫がひどい・つまらないと言われる理由5つ!
竜とそばかすの姫は、
現実とネットの世界である「U」という仮想空間が
リンクしながらストーリーが進んでいきます。
1つ目:設定説明がなさすぎてわからないことが多すぎる
龍とそばかすの姫は、
設定が分からない部分が多く映画の世界観がなかなか伝わってきません。
以下、細田監督の説明になります。
「<U>は、インターネットの仮想世界で、一人一人が<As(アズ)>という自分の分身を持ち、まったく別の人生を生きて、世界を変えることができる空間です。
シネマトゥデイ
単に自分の<As>がいるだけではなく、個人の生体情報を読み取るデバイス、ボディーシェアリング技術という本当に自分がその世界に入ったかのような技術が現実にもできようとしているのですが、その技術を使って、自分自身とアバターが一心同体のように繋がりを持った世界です。
この時点で一読しただけではなかなか理解が難しいです。
しかしながら、50億人が集う「U」という仮想空間の描写は、
とても美しく見事に表現されています。
田舎者の女子高生すずが歌ってみたら、
50億人の中から注目を浴びて人気者に?
急に歌いだして皆の耳に聞こえる設定とは?
なぜベルのアバターは、他の人と比べて断トツに美しいの?
50億のユーザーがいる中で注目を浴びる展開に。
私たちの知るネットの現実と繋げると、
理解しがたく共感がなかなかできません。
物語は竜が出てきてから、
さらにややこしさが深まっていきます。
- 自警集団ジャスティスって何?
- 自警団にスポンサーがつく意味はあるの?
- それほどに人気の仮想空間なのに、「U」の運営の管理はどうなってるの?
設定がわからず追い付かないのに、
後半は複雑にストーリーが枝分かれしていきます。
見ている人はひどい展開に完全に置いてけぼり状態です。
「竜とそばかすの姫」見てきたが、これはひどい…。竜の正体が、どこぞの知らないガキだった、には、ハァ? だし、あの場所海外だと思っていたら東京だったのかよ…。すずが単身乗り込んで、どうやって保護したんだ? なぜUの人々から情報を集めて助ける展開にしなかった? #竜とそばかすの姫
— 江戸井(本渡楓推し) (@a398) July 17, 2021
2つ目:美女と野獣を意識しすぎていた
物語は竜が出てきてから、
さらにややこしさが深まっていきます。
- 自警集団ジャスティスって何?
- 自警団にスポンサーがつく意味はあるの?
- それほどに人気の仮想空間なのに、「U」の運営の管理はどうなってるの?
竜の見た目は大きく怖く醜い姿で、ここが
美女と野獣にかなり似ています。
特に似ていると言われたのは、
ベルと竜のダンスシーンではないでしょうか。

美女と野獣でも出てきたお城の雰囲気、
そこをバックに手を取り合い踊る2人。

そして心を通わせていく様子も似ています。
さらに美女と野獣で何度も出てきた、
物語のキーともなる薔薇の存在。
竜とそばかすの姫でも薔薇はキーの1つとなっています。
最後のシーンで、すずが泥だらけで立ち向かう美しさを描いて、映画の帰結したところまでいったので、『美女と野獣』を現代にアップデートできたのかなと思いました。「現代にとっての美女とは何か?野獣とは何か?」を考えられるように、作品を切り口にして時代の変化を表現できるというのが、古典作品を扱ういいところですよね。
(引用元:日刊KELLY)
細田監督にはこのような思いがあったようです。
ミレニアムパレードって歌と歌声にに惹かれて竜とそばかすの姫
— ゆんぼyumbo🍠Buddy+Na.V+more (@yumbo_gg) August 1, 2021
見てきました素晴らしかった😭
他の歌も素敵だった泣いた
あれ?どこかで見たシーン
ベルって、、、あ、まんま美女と野獣じゃーん!城でダンスシーンもあるしバラも出るし😱
それにしても素晴らしいこりゃもう1回見るなぁ pic.twitter.com/hhVwvEESPd
3つ目:主人公周囲の大人が父親をはじめクズ過ぎる

細田監督の映画は竜とそばかすの姫に限らず、
虐待や目をそむけたくなる場面が多いように感じる人が多いようです。
子どもがこの映画を観てしまうことが抵抗がある人も。
ひどい残酷な場面を子供が観ることに
戸惑いを感じるのではないでしょうか。
竜とそばかすの姫の中では、
竜を探しに高知から東京へ向かうすずを
大人が誰も止めない場面があります。
向かう先には子供に虐待している父親がいて、
高校生が1人で向かうには危険すぎます。
すずの近くでいつも見守ってくれている、
合唱団の大人たちはすずの行動を止めませんでした。
それどころか駅まで送りバスへ乗せます。
これはあまりにもひどい流れですよね。
高校生の突発的な行動を、
大人が誰も止めなかったのですから。
細田監督のこのような思いが込められられていると言っています。
舞台となっている高知は、実は過疎と高齢化に苦しんでいる地域なんですね。取材に行くと、親だけではなく、地域の人みんなで少ない子どもを見守っていこうという思いを感じたんです。子どもたちが生きていく上で、家族や地域がとても大事なのに、今はそれが失われているような感じがしていて、地域の関係の大切さを描きたいと思ったんです。
(引用元:日刊KELLY)
しかし残念ながら周りの大人が子供を守っている感じは見受けられませんでした。
すずの行動は彼女の母の自己を犠牲にした
少女救出の過去と対比されています。
川に流されていく子供を眺めていた人たちと合唱団の大人は同じようなものです。
川に飛び込み助けにいくのを、
きをつけてね
と送り出しているのと変わらないですよね。
冷静な大人が全力で止めるか、
一緒に行っていればまだ納得できたかもしれません。
このような話の流れに観ている人が共感することは難しいようです。
そもそも友人や合唱団の方など周囲の人の性格も描写が少なすぎてよくわからないのです。
その人の性格や背景が見えてきません。
そんな中での大人の信じられない行動に、
苛立ちすら感じた人も多かったのではないでしょうか。
「竜とそばかすの姫」について注意喚起している人がわいのTLではいなかったのでする。虐待場面がある。わいのTLの感想では歌と音楽と映像が素敵で見る価値があるよとネタバレ回避でその程度の感想しか呟いてない人が多かった。フラッシュバックを起こす可能性がある人は十分気を付けてくれ。ぼかさず→
— レテ@備前国 (@polianthes_) July 19, 2021
4つ目:そもそも竜を探す理由がわからない

ベルは突然ライブを邪魔されてしまっただけなのに、
なぜ竜のことを必要以上に気にしたのでしょうか。
優しくされたわけでもなく、
気になるきっかけっぽいこともありませんでした。
そこまで執着して竜を追いかける意味が不鮮明でした。
竜を強引に気になる人にして、
美女と野獣の流れにもっていった感が否めません。
ユーザーたちから大注目されたことも
たかが一人の荒らしユーザーにそこまで興味持つ?
という疑問が浮かびます。
踊りながらお互い心惹かれていっても、
いつのまにそんな感情に?
という気持ちになってしまいますよね。
竜に怒られてまで竜の素性を知ろうとする、
その動機も見ている人にはわからないままです。
主人公に感情移入ができないひどい展開だと話題になりました。
5つ目:挿入歌(BGM)でストーリーのグダグダ具合をまとめすぎ

竜とそばかすの姫のもっとも評価されている点は、
なんといっても映像の綺麗さと歌です。
仮想空間と現実世界の田舎の描写はとても心惹かれる映像でした。
そしてベルが「U」の世界で歌うその歌声は、
心を鷲掴みにされた方も多いと思います。
- 主人公の声と歌を担当しているのは中村佳穂さん
- 1992年生まれ、京都出身のミュージシャン
- 20歳から本格的に音楽活動をスタート
この映画の魅力を語る中で、
歌声の美しさは大切な要素となっています。
しかし問題はストーリーです。
ストーリーがまとまっていない印象。
最大のモヤモヤは伏線回収もないまま終わっていくことです。
- 仮想空間の世界の話
- 親子愛の話
- 母の死によるトラウマを乗り越える話
- 美女と野獣に似ている話
- ネットの世界は怖いよっていう話
- 高校生の青春話
- 見ず知らずの虐待の少年を助ける話
そもそも伏線だったのかもわからないほど、
いろんな話が詰め込まれています。
「何が伝えたかったの?」
終わった時の感想はそうなってしまいます。
そのグダグダした流れは、
美しい歌声と映像でごまかされていきます。
最後まで疑問が残る展開
すずの1人で行った行動により、
虐待は解決されたのでしょうか?
虐待していた男がたかが女子高生を怖がって、
虐待をやめるとは思えません。
学校の友達とのシーンも多くないため、
忍との後半のやりとりも気持ちがついていきません。
幼馴染の忍とつきあうのか、
友達のままなのかもあやふやで終了。
多くの疑問は歌が流れて綺麗な映像を見て、
未解決に終わっていった印象です。
伏線回収されるストーリーを期待していただけに
モヤモヤ展開は正直つらいものがあります。

まとめ
今回は竜とそばかすの姫について、
まとめてみました。
ひどい評価が多いイメージもありますが、
映画の映像の綺麗さと歌声の良さは間違いないです。
それだけでも映画館で見る価値は、
十分にあったのではないでしょうか。
虐待やネットの世界という、
まさに今の現実と重なるそんな映画でもあったと思います。
細田監督が伝えたいこと、
映像と歌の素晴らしさを皆さんの目でぜひ確かめてみてください。