スラムダンクのアニメはどうして打ち切りとなったのでしょうか。
1996年の連載終了から26年を経った今でも、
圧倒的な人気を誇るスラムダンク。
アニメの打ち切りについては、
さまざまな噂がありました。
今回はその理由について調べてみました。
スラムダンクのアニメ打ち切り5つの理由
アニメ打ち切り理由①視聴率低下

最高視聴率21.4%を記録したスラムダンクのアニメですが、
終盤は視聴率が一桁台にまで下がっていました。
・最高視聴率:21.4%「18話:ラスト2分! 仙道は俺が倒す」 1994年3月5日放送
・最低視聴率:7.8%「91話:全国が危ない!」 1995年12月23日放送
この視聴率低下が打ち切りの理由の1つとされています。
「筋肉番付」の視聴率が良すぎた
しかしこの時の視聴率低下の理由は、
スラムダンクの人気が低下したわけではなく、
裏番組の「筋肉番付」の勢いによるものでした。
スポーツバラエティ番組の「筋肉番付」は、
もともと土曜1:15~1:45の深夜枠で放送されていました。
しかし、一気に人気が出たため、
1995年10月14日から土曜日のゴールデンタイムにお引越し。
・「筋肉番付」(TBS系)土曜 19:00~20:00
・「スラムダンク」(テレビ朝日系)土曜 19:30~20:00
このように、スラムダンクの放送が始まる30分前に、
大人気番組の「筋肉番付」がスタートすることになったのです。
スラムダンクの視聴率が低下する一方で、
「筋肉番付」は平均視聴率20%をキープ。
「筋肉番付」の影響により、
スラムダンクの視聴率が下がったことは明らかでしょう。
アニメの需要が低下した時期だった

スラムダンクのアニメが好調だった頃は、
アニメはゴールデンタイムに放送されるのが当たり前で、
高視聴率を維持していました。
今では考えられないことですね。
しかしスラムダンク終盤の頃は、
空前のお笑いブームが到来。
ゴールデンタイムはバラエティ番組が独占する状態になりました。
これにより全体的にアニメ人気が低下した時期でもあったのです。
スラムダンクのアニメの打ち切りの理由は、
時代に流れによるものという解釈もできますね。
アニメ打ち切り理由②原作漫画に追いついたため

アニメが原作漫画に追いついてしまったために、
続けるのが困難になり打ち切りになったという説もあります。
その理由は最終回までの5話分のエピソードにあります。
97話から最終回の101話までの5話分は、
原作にはないアニメだけのオリジナルストーリーです。
そのため、
原作に追いつかないための引き伸ばしエピソードたったのでは?
制作側は引き伸ばしを考えていた?
と推測する方が多かったのです。
原作に追いつかないように、
アニメ版のオリジナルストーリーを盛り込んで引き伸ばすということは
他のアニメにもあることです。
スラムダンクもそのような引き伸ばしを試みたことが考えられます。
しかし、実際には追いつく心配はなかった

しかしながらこれには反対意見もあります。
アニメが終了したのは漫画の24巻です。
その頃、漫画のほうはすでに山王戦の後半あたりでした。
巻数でいうと27巻以降になります。
そのため、
普通に考えてアニメが原作に追いつくペースではない
アニメが原作に追いつくから打ち切りになったわけではない
このような意見もあります。
さらにこのような意見が多い背景には、
「井上雄彦先生と編集部の意見の相違があった」
とされる事情があるからです。
次の章で見ていきましょう。
アニメ打ち切り理由③作者と編集部の意見の相違

スラムダンクのアニメの打ち切り理由は、
井上雄彦先生と編集部の意見の相違という説が有力です。
漫画の構想をめぐり、
井上雄彦先生と編集者の意見が分かれたことは有名な話です。
井上雄彦先生は、テレビ番組に出演時された時に、
このような話をされていました。
・「インターハイの組み合わせを作った時点で山王戦が最後と決めていた」
・「トーナメント表を出したからには、決勝まで行くという決まった道はもう進みたくない」
・「前の試合よりもつまらない試合は絶対描きたくない」
・「山王戦より面白い試合は描けないと思っていた」
・「テンションが高いところで終わらないと、作品にとって不幸になっていく」
つまり井上雄彦先生は、
もともと原作漫画は「山王戦」を最後にすると考えていたのです。
無駄に引き伸ばしたことで、
つまらない終わり方をしてしまった漫画を見てきた井上先生。
スラムダンクを最高潮の「山王戦」で終わらせることこそ、
自分の使命だと感じていたようです。
編集部は「山王戦」ラストに猛反対

しかし編集部は当然猛反対。
人気絶頂の状況で終わらせるのはもったいない!
という編集部側の意見ももっともでしょう。
最近は人気絶好で終わる漫画はありますが
当時はあり得ないことだったため、
編集部の反対は相当なものだったと予想できます。
このような状況により、
スラムダンクの漫画は「どこまで続くのかわからない」状況になってしまいました。
この状況を知ったアニメ制作側も、
「漫画連載がいつまで続くかわからない状況でアニメ制作は続けられない」
と判断したと言われています。
アニメのオリジナル5話は苦肉の策だった

97話から最終回の101話までのアニメオリジナル5話は、
アニメが原作漫画に追いつかないように、
引き伸ばしエピソードなのでは?
と言われていました。
しかし実際のところは、
原作の先行き不鮮明により急遽打ち切りになったために、
次の番組編成時期までもたせる苦肉の策だった、
という説が有力です。
アニメ打ち切り理由④版権をめぐる問題

スラムダンクのアニメ打ち切りの理由として版権をめぐる問題も挙げられます。
版権とは、作品の権利のことです。
漫画アニメ化されると、
その作品に関する玩具などが販売されることが多々あります。
アニメのCMには玩具メーカーのものが多いですよね。
スラムダンクもさまざまな商品が販売されました。
その中のゲームなどの版権に関して、問題があったと言われています。
井上雄彦先生と集英社の編集部の間でトラブルが起きたそうです。
お金をめぐるトラブルということですね。
集英社幹部の一言が原因だった?

版権をめぐるトラブルが起きた結果、
集英社幹部のある人物が
「だったら、もう連載を辞めてしまえ」
と言い放ったことでアニメが終了したとも言われています。
これにより、
桜木たちが本当はもっと勝ち進むストーリーだったにもかかわらず、
打ち切りになってしまったという説も有力です。
アニメ打ち切り理由⑤作者がアニメのクオリティに納得していなかったから

スラムダンクのアニメの打ち切り理由として、
井上雄彦先生がアニメの内容に納得していなかったことも挙げられます。
スラムダンクは伝説の漫画として多くの人々を魅了し続けています。
しかしアニメのほうはそれほど評価が高くありません。
井上雄彦先生もアニメのクオリティには満足していないと言われていました。
・キャラクターの躍動感
・試合の臨場感が
・迫力ある作画
このような原作の魅力である要素が、
アニメには十分反映されていませんでした。
当時はアニメにクオリティは求めておらず、
とりあえず制作すればヒットするという時代でした。
視聴者もアニメが観れれば満足という感じだったのでしょう。
しかし井上雄彦先生はそのようなアニメの在り方に納得できず、
打ち切りを求めていたとも言われています。
打ち切り理由まとめ

スラムダンクのアニメの打ち切りについては、
いくつか説がることをお伝えしてきました。
まとめるとこのようになります。
・①視聴率低下
・②原作漫画に追いついたため
・③作者と編集部の意見の相違
・④版権をめぐる問題
・⑤作者がアニメのクオリティに納得していなかったから
おそらくこれらの要素が絡み合って、
最終的に打ち切りという結果になったのでしょう。
しかし、
・①視聴率低下
・②原作漫画に追いついたため
という理由は表向きなものであり、
実際には、
・③作者と編集部の意見の相違
・④版権をめぐる問題
・⑤作者がアニメのクオリティに納得していなかったから
という理由が大きな要素だったという説が有力です。
スラムダンクのアニメ打ち切りは正解だったのか?
スラムダンクは記憶に残る伝説漫画になった

さまざまな要素が絡み合い、
結果的に打ち切りとなってしまったスラムダンクアニメ。
その終わり方についてはネガティブな声が多いです。
しかしながら、
あのような打ち切り方をしたことで、
「スラムダンクが記憶に残る作品になった」
というファンの声が多いのも事実です。
井上先生の英断だった

井上雄彦先生はスラムダンクを愛していたからこそ、
人気が落ちてから終わらせるのではなく、
人気絶頂の時に終わらせて、
人々にその記憶を残したい
と考えたといいます。
このような想いから原作漫画もアニメも、
人気絶頂の中、惜しまれつつ打ち切りになったのですね。
そしてその後20年以上にわたり愛され続ける作品となったのです。
26年前の漫画にもかかわらず、
ここまで映画化が盛り上がる作品はなかなかないでしょう。
井上先生の英断があったからと言えますね。


















まとめ
いかがでしょうか。
今回はスラムダンクのアニメの打ち切り理由についてまとめました。
さまざまな要素が絡み合い、
惜しまれつつも終わってしまったスラムダンク。
しかし、人気絶頂の時に終わったからこそ、
その後も輝き続ける作品となったのかもしれませんね。