「すずめの戸締まり」のダイジンの目的は結局何だったのでしょうか。
ダイジンは何をしたいのかわからないという声が多数上がっています。
今回はダイジンの目的について調べてみたいと思います。
ネタバレを含みますので、観覧後にご覧ください
「すずめの戸締まり」ダイジンの5つの目的
目的1:要石として災害を防ぐこと

ダイジンの目的は物語が進むにつれて変化していきます。
まず1つ目の目的は要石として災害を防ぐことでした。
ダイジンは要石として、
後ろ戸の近くにささる状態で、
後ろ戸を封印している神さまの一種です。
巨大ミミズが後ろ戸から外に出て、
災害を起こすことを食い止める役割を担っていました。
目的2:鈴芽と一緒になること

草太のあとを追って廃墟に迷い込んだ鈴芽は、
後ろ戸のそばに刺してあった要石の姿のダイジンを引き抜いてしまいます。
封印から解かれ、
白猫の姿になり自由に動き回れるようになったダイジン。
これによりダイジンの目的は変化します。
その後、鈴芽に優しくされたダイジンは、
鈴芽のことが大好きになります。
そこでダイジンは、
鈴芽と一緒にいたいと思うようになったのでしょう。
これが2つ目の目的です。
恋人としてというよりは
母親になってほしいという感じでしょうか。
鈴芽に「うちの子にならない?」と言われて、
目をキラキラさせていました。
草太が邪魔だったから椅子にした

いずれにしても鈴芽と2人きりの関係になるためには、
草太は邪魔だと感じたダイジンは、
草太を椅子に変えてしまったと思われます。
さらに、草太に要石の役割を押し付けようとしたのです。

おまえ、邪魔。
と言った瞬間に草太は椅子に変えられてしまいました。
このシーンはダイジンの、
目的のためなら即座に決断を下して行動するという、
残酷さが感じられる印象的なシーンでもありました。
神の本質は気まぐれ
要石として大災害を防ぐという重大な役割を担っていながら、
鈴芽に優しくされただけでここまで変貌したダイジン。
これにはいささか疑問も感じたのですが、
草太のある一言で納得させられました。

神の本質は気まぐれ
と言うシーンがありました。
神さまの一種であるダイジンも、
気まぐれだったということなのでしょう。
目的3:鈴芽に後ろ戸を閉じさせて災害を防ぐこと

さらに目的2と平行する形で目的3も存在します。
ダイジンの行動がわかりにくい理由は、
鈴芽のために行動するだけでなく、
要石を守る神としての目的も果たそうとしているからです。
これが3つ目の目的と言えます。
自由を手にしたことで、
要石としての役目を放棄したくなったダイジン。
しかし、やはりそこまで振り切ることはできなかったのでしょう。
巨大ミミズが出てこようとする場所に鈴芽を誘導しながら、
後ろ戸を閉じさせようとします。
ちなみに、小さな子猫の姿をしたダイジンには、
後ろ戸を閉じるのは無駄ということなのだと思われます。
人間の鈴芽の力が必要ということですね。
災害を防ぐために鈴芽と一緒に奔走するのでした。
草太をすぐに人間に戻さなかった理由
この時点で一つ疑問なことがあります。
それは、草太をなかなか椅子から人間に戻さなかったことです。
後ろ戸を閉じさせて災害を防いでいくためには、
鈴芽より「閉じ師」である草太にさせたほうが良いでしょう。
しかし草太は椅子にしたまま。
・後ろ戸は閉じなくてはいけない
・でも鈴芽とは2人きりでいたい
という2つの想いの間でダイジンは葛藤していたのでしょう。
草太を人間の姿に戻したら、
・鈴芽を奪われてしまう
・閉じ師である草太に要石として封印されてしまう
このような事態が想定されるため、
なかなか草太を人間に戻さなかったのだと思われます。
目的4:再び要石になり災害を防いでいくこと

ダイジンの目的は、
目的1:要石として災害を防ぐこと
↓
目的2:鈴芽と一緒になること
目的3:鈴芽に後ろ戸を閉じさせて災害を防ぐこと
このように変化していきます。
そして目的4は、
再び要石になり災害を防いでいくということです。
ダイジンは物語のラストで、
自分が再び要石になることで、
巨大ミミズの動きをおさえようとします。
目的5:大好きな鈴芽を幸せにすること

自由を謳歌していたダイジンが要石に戻ることを決意した理由は、
大好きな鈴芽のためであることは明らかです。
ダイジン大好きな鈴芽の幸せのために行動しようとします。
これがダイジンの最後の目的と言えるでしょう。
そのためには草太を要石にするわけにはいきません。
それは鈴芽が一番悲しむことだからです。
だからダイジンは、
自分が要石になり草太を鈴芽のもとに戻してあげたのです。
ダイジンの目的を鈴芽は誤解していた
鈴芽はダイジンを悪い猫だと思っていた

この物語を複雑に、そして面白いものにしているのは、
このようなダイジンの目的が、
物語の途中では鈴芽も観客もわかりにくいということです。
大好きな鈴芽と一緒にいたいという純粋な気持ちを持ちつつも、
要石としての使命も果たそうとするダイジン。
そのため鈴芽を次に巨大ミミズが出ると思われる閉じ戸の場所に導いていました。
ところが鈴芽は、

各地の閉じ戸を開けてまわる悪い猫
と思っています。
鈴芽がダイジン誤解した理由

鈴芽がダイジンを誤解していた理由はいくつかあります。
・草太を椅子に変えた(その時言った一言が、おまえ邪魔)
・要石の役目の役割を放棄して草太に押し付けた
・鈴芽たちからずっと逃げ回っている(実は誘導しているのだが)
・巨大ミミズにより大震災が起きようとしても無関心な様子がある
このようなダイジンの様子から、
鈴芽はダイジンを悪い猫だと決めつけています。
同時に観客も鈴芽と同じ目線でダイジンを追うことになるのです。
ダイジンの目的がわかったラストは涙が止まらない

厄介な猫として鈴芽と観客を翻弄するダイジン。
だからこそラストでダイジンの本当の目的がわかった時、
鈴芽と一緒に深い感動を感じることができるのでしょう。
物語の終盤では、
ダイジンは後ろ戸を開いていたのではなく、
案内していたという事実が明らかになります。
そして鈴芽の幸せのために、
さらには人類から災害を守るために自ら犠牲になり要石となります。
このダイジンのラストには、
ダイジンのラストに感動した
ダイジンありがとう、ごめんね
このような感想を持った方が多かったようです。












まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「ずずねの戸締まり」のダイジンの目的についてまとめてみました。
目的がないように見えて、実は目的をもって行動していたダイジン。
とても魅力的なキャラクターであり、
重要なキャラクターであることがわかりました。
最後までお読みいただきありがとうございました