「すずめの戸締まり」の歌詞にはどんな意味があるのでしょうか。
「すずめの戸締まり」の主題歌は、
女性歌手の十明(とあか)さんが歌う
「すずめ feat. 十明(とあか)」です。
作品の内容と美しい歌詞が見事にリンクしていると話題です。
今回は、「すずめの戸締まり」歌詞の意味に迫りたいと思います。
ネタバレを含みますので、観覧後にご覧ください
「すずめの戸締まり」歌詞の意味考察

「すずめの戸締まり」の主題歌の歌詞は、
作品の世界観が美しく描かれています。
主人公すずめの気持ちが語られていると思われます。
鈴芽はこの作品を通して、
・草太との運命的な出会い
・戸締まりにより災害を防ぐ
・過去の自分と向き合う
このような経験をして成長します。
そのことがそれぞれの歌詞に込められていると推測されます。
ネット上では、
さまざまな捉え方をされている方がいるようです。
このようなネットの意見を参考に、
歌詞の意味を考察していきたいと思います。
歌詞考察①人間の複雑さ

君の中にある 赤と青き線
それらが結ばれるのは 心の臓
「君の中にある 赤と青き線」とは、
・赤:動脈
・青:静脈
を意味すると同時に、
・赤:本能や情熱
・青:理性や冷静
を表現していると思われます。
「それらが結ばれるのは 心の臓」の歌詞の意味は、
本能と理性という対極するものが
心臓(心の中)で複雑に絡み合っているということでしょう。
人間の複雑さを意味している歌詞だと推測できます。
草太と出会った鈴芽はさまざまな想いを胸に旅をします。
さらにさまざまな人の複雑な想いに触れることにもなります。
そのような人間の複雑さを冒頭で歌っているのでしょう。
歌詞考察②主人公すずめの強さ

風の中でも 負けないような声で
届ける言葉を 今は育ててる
「風」とはさまざまな困難な状況を意味していると思われます。
「声」は気持ちでしょう。
「風の中でも負けないような声で」は、
東日本大震災で母親を亡くすという壮絶な経験をした鈴芽に対して
困難に打ち勝つ強い気持ちがあるということを意味していると思われます。

「届ける言葉を今は育てている」とは、
そのような強さを持ち合わせていて、
それを活かす時を待っていると解釈できます。
だから、草太を助けに旅に出るという
決心ができたのでしょう。
歌詞考察③無常な人の世

時は まくらぎ
風は にきはだ
星は うぶすな
人は かげろう
この歌詞の意味は無常な人の世を意味していると思われます。
「まくらぎ」とは線路の下にある角材のことで、
一定の間隔で敷き並べられています。
時の流れは誰にでも等しくやってきてそれを避けることはできない
という意味を表していると推測されます。
「にきはだ」は、柔らかい肌ということです。
冒頭の「風」は困難でしたが、
ここでは優しいものとしています。
人生の中には良い時も悪い時もあるという意味が考えられます。
「うぶすな」とは、生まれた土地のこと、
その土地の神様のことを指します。
この映画では廃墟となった土地を土地の神様にお返しするという描写があります。
地球という星にはそのような土地でできているということでしょう。
「かげろう」は、寿命が数時間から数日しかないことで知られる虫のことです。
人の一生は地球という星の規模で考えたら、
かげろうのように儚いということだと思われます。
考察④草太との出会いの重要さ

なんで泣いてるのと聞かれ 答えれる
涙なんかじゃ
僕ら出逢えたことの意味には まるで
追いつかない
この身ひとつ じゃ 足りない叫び
ここの歌詞の意味は、
・何で泣いているのかと聞かれて答えられるような涙なんかではない
・すずめと草太が出会えたことの意味は、それ以上の大きなもの
・(涙というより)この身ひとつでは足りないほどの叫びと言えるだろう
このような解釈になるでしょう。
鈴芽にとって草太との出会いがいかに大きなものだったか
ということを意味していると考えられます。
鈴芽は要石になってしまった草太を必死で助けようとしますが、
うまくいかずに涙を流します。
しかしその涙の意味は一言で言えないほど、
深く複雑であったのでしょう。
それは、草太の出会いが鈴芽を大きく変えたからです。

鈴芽は草太と出会ったことで、
ただ恋心が芽生えただけでなく、
震災、過去、家族などさまざまなことに向き合うことになり、
大きく前進することができました。
だから、要石になった草太を助けられないという涙は、
叫びにも匹敵するような大きなものだったのでしょう。
考察⑤草太と結ばれることへの絶望感

君の手に触れた時にだけ 震えた 心があったよ
意味をいくつ越えれば 僕らは辿り つけるのかな
「君の手」とは草太の手のことでしょう。
「意味」とは試練や悲運だと思われます。
・草太の手に触れた時だけ心が震えた
・それほど好きになった人なのに、試練や悲運が多すぎてなかなか一緒になれない
このような絶望感を意味していると思います。
考察⑥草太との未来への覚悟

愚かさでいい 醜さでいい 正しさのその先で
君と手を取りたい
この歌詞の意味は草太との未来への覚悟だと推測されます。
鈴芽は、
草太と一緒になることが愚かさや醜さを伴うことであっても、
それは正しいことであると信じているのでしょう。
愚かさや醜さを受け入れてでも、
草太と一緒になりたいという覚悟が感じられます。
考察⑦母親との大切な記憶

思い出せない 大切な記憶
言葉にならない ここにある想い
4歳で震災により母を亡くした鈴芽は、
突然の母の死を受け入れられずにいました。
そんな鈴芽はある扉を開けて死後の世界に迷い込み、
母親に会った記憶がありました。
しかし大切な記憶であるにもかかわらず、
すずめはその時の母の姿や交わした言葉を
思い出せずにいたのです。
「思い出せない 大切な記憶」の歌詞は、
そんなすずめの状況を意味しているでしょう。
「言葉にならない ここにある想い」の歌詞は、
曖昧な記憶は言葉では表せないが、
母に対する想いはずっと胸の中あるということでしょう。
考察⑧今のすずめは過去により形成されている

もしかしたら もしかしたら
それだけでこの心は できてる
この歌詞の意味は、
今のすずめを形作っているのは過去の思い出ということでしょう。
・震災で母親が亡くなったということ
・死後の世界で母親を会ったという曖昧な記憶
このような過去の出来事が、
今の自分を形成しているのかもしれないという意味でしょう。

人が死ぬか生きるかなんて運しだい
という印象的なシーンがあります。
震災で母を亡くすという辛い過去の経験している鈴芽は、
無意識のうちにこのような考えになったのでしょう。
ここでの歌詞は、
映画のシーンを観終わった後に聴くと、
心に響くフレーズです。
考察⑨過去の闇から救ってほしいという想い

もしかしたら もしかしたら
君に「気づいて」と 今もその胸を打ち鳴らす
「君」とはおそらく草太のことでしょう。
今の自分を形成しているのは過去。
すずめの場合は震災という過去の闇に支配されていると言えるでしょう。
そんな自分の状況に気付いて救ってほしい
という想いが推測されます。

映画の中では、
草太との出会いによって、
過去を受け入れて前を向くことができた鈴芽。
その映画の内容を観終わった後に聴くと、
より感動的なフレーズに聞こえます。
考察⑩草太との運命的な関係の強調

この後はまた、
なんで泣いてるのと聞かれ 答えれる
涙なんかじゃ
僕ら出逢えたことの意味には まるで
追いつかない
このようなサビの部分が繰り返されます。
過去の記憶から解き放たれたいという歌詞の後に、
ふたたび草太との愛について語られるため、
草太との運命的な関係がより強調されています。












まとめ
今回は「すずめの戸締まり」の主題歌の歌詞の意味を調べてみました。
美しい歌詞を紐説いてみると、
鈴芽の気持ちが反映されていることがわかりました。
歌詞の意味がわかると、
より興味深い曲に聴こえますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。