2月7日のジャンプ団体戦。
日本代表は高梨沙羅さんが先陣を切り、1回目で103メートルの大ジャンプ。
124.5点と表示されましたが、まさかのスーツ規定違反との判定で記録なしになりました。
高梨さんは2日前の女子ノーマルヒルと同じスーツを着ていて、
その時は失格になっていなかったのにも関わらずです。

高梨沙羅まさかの失格!
なぜスーツの規定違反になったのか

高梨選手のジャンプで着用しているスーツ。
太もも部分のスーツが規定より2cm大きくなっていたそうです。
解説によると、今回の採寸は非常に厳しかったとのこと。
また、-17度という極寒の中筋肉が萎縮し
スーツがその分大きくなったのではないかと予想されています。
横川朝治ヘッドコーチは
選手は僕らの用意したスーツを着てそのまま飛ぶので。
僕らスタッフのチェックミスです。
極寒の中身体の水分が奪われやすい状態にあったと思う。
と話しました。
2/10追記:いつもは女性の競技は女性の測定者でありますが、
当日はいきなり男性測定者が乱入しており現場の混乱を招いたことが非難されています。
スーツ違反のチェックは
— あぶヒデ (@abuhide) February 7, 2022
チェックする人のさじ加減かよ~。
今日はかなりシビアだったみたい。。。と
竹内さん。
沙羅ちゃん負けるな
— Ooji (@49er7201030757) February 7, 2022
もう一回あるからがんばれ#高梨沙羅#スキージャンプ #スキージャンプ混合団体 pic.twitter.com/oTdothVNz9
スーツのメーカーはどこ?
冬の競技のスピードスケートやジャンプでは、ミズノが多く着用されているようです。
今回の高梨さんのスーツはどのメーカーを着用されていたのか
まだ明らかにされていません。
レギュレーションが厳しいため職人技での調整が必要になります。
ジャンプスーツの開発担当はこう話します。
ジャンプスーツのルールはとても細かくシビアで、違反となれば即失格となる。
そのルールを熟知し、選手の体型に合わせながらも不利にならないように“攻める気持ち”でスーツを調整しています。
元選手だからこそ持ち得る感覚が活かせればと思っています
このように、ジャンプスーツには繊細さと厳格さを求められます。
沙羅ちゃん、2回目のジャンプも皆んな応援してるよ!!!!#teamairweave#スキージャンプ #TEAMJAPAN #北京2022
— airweave (エアウィーヴ) 公式 (@airweave_) February 7, 2022
異例の失格者多数
今回の団体戦での失格者が多いことに疑問を感じざるを得ません。
今回疑問・不満な点はこちらです。
- 抜き打ちで行われる
- 事前に飲む水の量さえ響くため高梨選手は凄く気をつけていた
- 太もも部分が2cm大きいと判断された
- よくある事だが4カ国も失格なのは異例
中国が飛型点20点満点で、3カ国が失格のこの大会何??
— どらいぶ (@eUYS9kcezCWeDYB) February 7, 2022
ドイツ、オーストリア、日本の3カ国って優勝候補だけに闇を感じる。#北京五輪#ジャンプ失格#高梨沙羅#高梨失格#沙羅ちゃん
道具の規定チェックの責任者 アガ・ボンチフスカ

道具の規定チェックの責任者を務めたポーランド人のアガ・ボンチフスカ氏は
こう回答されてます。
新たな測定の手順は一切踏んでいない。
従来通りに私は私の仕事をしただけだ。
彼女たちのスーツは明らかに大きいものだった
この発言を受けて2人の大物が声明を出しています。
通常の測定では、選手が腕を身体から30センチほど横に伸ばして待つものの、
7日は腕を頭の上に置いたままだった。
いつもならひとりで行なっている検査が、あの日はなぜか3人もいた。
(ノルウェー代表のブレード・ブラーテン監督)
シリエ・オプセットが失格となったノルウェー代表の選手がいるからこそ
説得力が増しますね。
もしも、選手や監督たちが指摘しているように、測定方法が変更されていた場合は、チームとコーチには事前に知らされなければならない。私が見る限り、選手がうずくまり、泣き、完全に取り乱しているあの試合はスキャンダルだ! 世界最大のスポーツの舞台で、選手たちのこんな姿を映してはいけない。我々のスポーツにとって大きなイメージダウンだ
(国際スキー連盟)
私たちの気持ちを代弁してくれるような言葉ですね。
スーツの規定違反とは?

国際スキー連盟規則で
『直立姿勢でスーツ寸法は ボディーとの最大許容差は男子+1〜3㎝、
女子+2〜4㎝ 体重変化で誤差が出るので年間20着以上使用する』
このように繊細であることが明記されています。
浮揚力を利用するスキージャンプはスーツの大きさが飛距離に大きく影響します。
小林選手も自身のYoutubeチャンネルでジャンプのスーツは寿命が短いと
話しています。


また、小林選手は試合の後にインタビューで語っていました。
スーツはすぐに調整できるようなものではないため
皆に可能性があることである
もうこんなん見てられないよ………壊れちゃいそうで見てて辛い………沙羅ちゃん……… pic.twitter.com/4yYMcfCa8h
— (@llll2222san) February 7, 2022
スーツの規定違反に事前に気付けなかった理由3つ
沙羅ちゃんよく頑張ったよ#高梨沙羅#スキージャンプ #スキージャンプ混合団体 pic.twitter.com/oskdJiQl57
— Ooji (@49er7201030757) February 7, 2022
理由その1:コロナ禍であるため調整が追い付かない

ギリギリまでスーツ調整をしていても、
コロナ禍であるためスタッフに人数制限があるのです。
調整するスタッフが試合に同行できないケースが多く
出たとこ勝負になってしまうのです。
素材が大きくなったり縮んだりしてしまう可能性があるため、
特に冬の競技であるため室内と屋外での温度差が生じます。
理由その2:他国に比べて作成サイズ感がギリギリ
日本のチームは、職人技が光ります。
他国に比べ遊びがないギリギリを攻めるスーツを作成します。
ということはその日のコンディションですぐにアウトになってしまうということです。
スーツ職人と選手が一体となって戦っているという裏返しでもあります。
その日に選手が100g単位で体重が増減すればもちろんサイズ感も変わります。
遠征中に緊張やコントロールから痩せてしまう選手もいます。
しかし、高梨選手は飲水に関する量までしっかり管理していたというので
選手の責任は果たしているのではないでしょうか。
前の試合と同じスーツを着ていて、一部分がちょっと伸びたようケースでもスーツ違反を取られることがあるんよ。
— Mahmoud (@mahmoud1933) February 7, 2022
#高梨沙羅 選手がスーツ違反で失格?!
— BB (@BiscuitBear_com) February 7, 2022
事前に分からなかったのか、謎すぎる?!
スキースーツの規定⬇️ pic.twitter.com/JXkVqDr0iD
理由その3:世界の大会では選手の体型が変わりやすい

世界大会などの遠征中は体型が変わりやすいです。
特に、時差や食事が変わってくるため選手もコンディションが必要です。
水分量やむくみだけでなく、選手がコントロールすることが難しい部分もあります。
スーツにたくさんの風を受けやすいようにギリギリまで大きくしているスーツは
選手の大会が変われば大きくなります。
しかも、2日前に同じスーツを着て飛んでいるのですから
「これなら大丈夫だ」と考えるのは当たり前ではないでしょうか。
スキージャンプは追い風でなく向かい風の方が、選手にとって飛びやすい
そのため風をより受け止めて有利な状況を作るためスーツを大きくしたい
会場は標高約1600メートルに位置します。
氷点下約15度の極寒で筋肉ももちろん萎縮します。
その分スーツも大きくなります。
一般の人たちが立ち入れない場所で競技自体を行うことがすごいのです。
#高梨沙羅 選手がスーツ違反で失格?!
— BB (@BiscuitBear_com) February 7, 2022
事前に分からなかったのか、謎すぎる?!
スキースーツの規定⬇️ pic.twitter.com/JXkVqDr0iD
ちなみに、試合開始間際に不正をする選手もいるため
試合後に違反のチェックをすることになっているそうです。
2021年のW杯でも失格があった

2021年の女子スキージャンプW杯ではスーツの規定違反が続出しました。
高梨選手も予選をトップ通過しましたが、
本戦で着た同じスーツの太もも部分が規定より少し大きかったため失格となりました。
高梨選手のスーツ違反、各国ギリギリのラインを攻めてるみたいだから違反なのは仕方ないとしても、飛ぶ前にチェックしないの、システムとしておかしくない?
— いずみ 雅己 (@Iz_Mas) February 7, 2022
競技が非常につまらないものになってしまうんだけど。
飛んでから違反と言われても、良い記録を出した選手潰しと思われても仕方ないのでは?樂
そんな中、2回目もなかなかなジャンプ決めた高梨選手やっぱり凄いな・・・
— 松陰(まつかげ) (@pineshade) February 7, 2022

違反後のInstagramで高梨選手のメンタルが心配されている

日本チームを応援して下さっている全ての皆様
今回、私の男女混合団体戦での失格で
日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。
私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。
謝ってもメダルは返ってくることはなく
責任が取れるとも思っておりませんが
今後の私の競技に関しては考える必要があります。
それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております。
そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆さま、スタッフの皆さまには感謝してもしてきません。
こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。
この度は本当に申し訳ありませんでした。
高梨沙羅
私が言える立場ではない事は重々承知の上で言わせていただけるなら、
どうかスキージャンプとゆう素晴らしい競技が混乱ではなく選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしいと心から願います。

このコメントを2/8日夜間に発表されましたが、
9日午前5時の時点で既に2万件のコメントがきています。
胸張って帰ってきてね。お疲れ様でした!
これから先も沙羅ちゃんのジャンプを、日本のファンも、世界のファンも、日本のオリンピック選手も、世界のオリンピック選手も待ってるよ!!!
そんなに自分を責めないで
胸張って帰って来い‼️ 道民は高梨沙羅の笑顔を待っている
まとめ
今回4年ぶりのリベンジを狙っていた高梨選手。
様々な部分で国民が彼女を応援しました。
個人戦から団体戦で気持ちを立て直し大ジャンプを決めた高梨さん。
1回目失格から気持ちをもう一度立て直して2回目ジャンプを決めた高梨さん。
相当なプレッシャーがあったと思いますが、
頑張られたと思います。
実力があっても調整が難しい冬の競技のスーツを着用するということが
いかに難しいかわかりました。
今大会で初採用となり、スキージャンプの魅力をアピールしたかったはずが、
多くの選手を苦しめる格好になった混合団体戦でした。
今後、胸を張って日本に帰ってきて欲しいと思います。